【心の“こえ”と対話するための研究所】
僕たちは、ふたつの声を持っている。
ひとつは他者と共有する社会的な“声”、もうひとつは自らの内だけに響く“こえ”。
思いの中で生まれた“こえ”の一部は、人に伝わる形に整えられて“声”となる。
誰かの“声”を聞いて、心が動くのは、そこに“こえ”を感じるからだ。
“こえ”なき“声”では届かない。
だけれど、僕たちは今、“声”ばかりを気にしている。
“こえ”に耳を傾けなくなっている。
「何を思っているか」より「どう表現するのか」に重きを置く。
人とのつながりの中で、僕たちは“声”を装飾し、評価と嫉妬ばかりしている。
AIが人と違わぬ“声”を出せるようになり、AIによって再現された故人の“声”を聞いて涙するようになったが、僕たちはなぜ泣いてしまうのだろうか。何に泣いているのだろうか。
AIが似せているのは“声”であり、そこに“こえ”はない。
僕たちは“声”に重きを置きすぎた。
これからも、誰かに感情を簡単に操作されてしまうのではないか。
もちろん、社会にいる以上、“こえ”だけで生きることは難しい。
“こえ”をそのまま伝えても、人の心は動かない。
「何を言っているんだ?」と冷ややかに見られたり、傷つけることだってある。
今こそ心の“こえ”が大事だ。
だけれど、社会的な“声”も必要。
ふたつは対立するものではなく、共存するものでなければいけない。
僕たちはすぐに社会的な“声”だけを聞いてしまうから、バランスを取るのはとても難しい。
心の“こえ”と真摯に向き合い続ける必要がある。何度も、何度も、“こえ”と対話しないといけない。
「こえラボ」は、心の“こえ”と対話するための研究所。
たくさんの“こえ”を聞いて、自分の“こえ”に寄り添えるように
さまざまな“こえ”を聞いて、他者の“こえ”に耳を澄ませられるように。
“こえ”を小説、詩、エッセイ、評論などの形で届けるメディアです。
あなたの“こえ”の拠りどころになりますように――