2025年8月活動報告

こえラボ編集部/2025年9月16日

 こえラボ編集長の藤平です。

 夜風のあたりが変わり、夏の終わりを感じつつあります(気温は高いのですが)。毎年同じ経験をしているはずなのに、このどこか物悲しい感じはいつまでも慣れないですね。それも含めて、夏の魅力です。

 さて、8月の活動報告です。

 8月はこえラボ初となる書評を公開しました。

書評:悲しみとは何か。こころの哲学から考える―『悲しい曲の何が悲しいのか』を読む。
著者:中田健太郎さん

 他人のこえと、内なるこえ。生きていると、相反するたくさんの声を聞くことになる。そして、文章にすれば同じ内容でも、その聞こえ方は人によって全く違うものになってしまうことはよくあることだ。では、僕たちは言葉を声にのせてやり取りするときに、感情を内側に留めたままでしか生きていくことができないのだろうか。……

 自分の感情と向き合ううえで、その感情を抱いた私や引き起こした何か(音楽など)を見つめることはあると思います。でも、感情は実はそれだけで形成されているのではなく、これまでの人間関係、取り巻く社会も深く関わっている。

 それらもあわせてつぶさに観察することで、自分の感情の価値というのは見えてくるのだと思います。

 この観察は大変な作業です。過去の経験・体験を振り返り、「あのときの自分はこうだった」と自分の中で納得のいく言葉を生み出さないといけないから。ときには、頑張って忘れ去っていた嫌な自分と、再度対面しなければいけないこともあるでしょう。

 ただ、そうして苦しい時間をかけて進んだ先にこそ、ほのかに「価値」という光が現れてくるはずです。

 宝探しのようですが、宝がないことは決してありません。中田さんの文章には「あなたの“こえ”には価値が確かにある」という暖かなメッセージが宿っています。

 こえラボでは、引き続き“こえ”をテーマにした文章を募集しています。ぜひみなさんの“こえ”を聞かせてくださいませ。

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 募集要項が少しわかりにくかったため、少し更新をしていますが、もしご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。

寄稿に関するお問い合わせはこちら

 9月もいろいろ動いていけたらと思っています。

 それでは。
 引き続き、こえラボをどうぞよろしくお願いいたします。

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