書籍紹介『暮らしの本』
こえラボ編集部/2026年3月23日
「自分の暮らしを形づくる本」をテーマに、35人の著者が大切な一冊との間にあることばを綴った、書評エッセイをご紹介します。
こえラボ編集部の葉山です。
『暮らしの本』は、開業10周年を迎えた福岡県うきは市のMINOU BOOKSが刊行した書評エッセイです。MINOU BOOKSと10年のあいだに関わりを重ねてきた35人の著者が、「日々を問い直す」「他者と共に生きる」といった7つのテーマで、それぞれの暮らしの指針となるような一冊について紹介しています。
「暮らしの本屋」を掲げ書店を営んできたMINOU BOOKS店主の石井勇さんは、35人のことばで綴られた「暮らしの文脈」を集めた本書に対して『いつでも戻ってこられる場所のような存在になった』と語ります。
暮らしを捉えるということは、その時々に行き交う人たちと自分の“こえ”に気づき、改めて見つめ直すということ。それは、暮らしを照らす光をひとつひとつ自分で灯していく作業であるともいえます。本書のページをめくっていくと、書き手が本の中に見つけたちょっとした救いや発見、あるいは動揺が、実は自分自身の暮らしの中にもあったことに気づかされます。
例えば、いつも格好がいいなと思える人たちも、いいときと悪いときを受け入れながら生きているのだと知ったこと。完璧とは程遠い自分もそのまま存在していていいのだと、なんだか肯定されたように感じたこと。あるいは逆に、あなたは気楽でいいよねと、見えない線を引かれた気がしたこと。そういったひとつひとつの揺れ動く“こえ”に気づき自分に問いながら、誰かとの関係を少しだけよくしようとすることを繰り返す。こうして暮らしの文脈はそこかしこにずっとつながってきたのだと、感じられるのではないでしょうか。
表紙には、モノトーンでありながらも木々の息遣いが伝わってくるような、耳納連山の写真が大きく使用されています。その稜線は美しく、静かで豊かな余白が横たわっています。自分の暮らしの文脈を改めて手繰り寄せ、心の中に紡がれる“こえ”に気づきを与えるような一冊です。
ぜひ、お手にとってみてください。
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